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にゃんこの想ひ出(前編) [ねこのはなし]

[はじめに]
今日公開するこの記事は、わたしがブログを始めてから割とすぐに
既に大体が書き上がっていたものです。
いつ公開しよう、いつ公開しようか...と思っていたのですが
ようやくその一歩が踏み出せそうなのは
1月にこの子の16年目の命日を迎え、(人で言えば17回忌かな?)
なんとなく気持ちの中で一区切りが付いた為かも知れません。
(本来なら1月中にアップしたかったのですが重鯖に阻まれ撃沈しました。)
長い文章になりますが、最後まで読んで頂けたら幸いです。
尚、ブログでは新しい記事の方が上になる事を考慮して
実際の記事の順番とは逆の順番で公開してあります。
 

*    *    *    *    *

 
 
我が家で最初に迎えたにゃんこは「アンナ」といいました。
家族みんなに「アンナぼん♪」と呼ばれ可愛がられたその猫は
わずか5ヶ月でその短い一生を終えました。
今日はそのアンナぼんの事について書いてみようと思います。
 
 
1989年、当時の我が家には6歳になる雑種の愛犬チェリーがいました。
チェリーは大変心の優しい犬で、
特に小さな仔犬や仔猫を見ると放っておけないような子でした。


 
 
ある夏の日、母がチェリーを散歩に連れて行くと
いつもの散歩コースに「一斗缶」が無造作に置いてありました。
何かに吸い寄せられる様にぐいぐいと一斗缶の方へ引っ張るチェリーに導かれ
近づいてみると微かに「ニイニイ」と言う声が聞こえて来たそうです。
缶にフタをしてあった板のようなものをどけて
中を覗き込んでみるとそこには、産まれて間もないような
当然まだ目も開いていない仔猫が4匹入れられていたのです。
真夏の炎天下でした。
 
 
さすがに気の毒に思った母はその仔猫を連れ帰り
獣医さんで診てもらったりもしましたが
恐らく初乳すら飲ませてもらえなかったのでしょうか、
衰弱が激しくあっという間に2匹は死んでしまいました。
残った2匹も仔猫用のミルクなどをスポイトで与えたりしましたが、
飲み込む体力さえもなく次第に弱っていきました。
 
 
その間チェリーもなんとか仔猫にミルクを飲ませようと、
仔猫の真ん前に横たわって自分のお腹を見せ
「これを飲むんだよ。」とばかりに乳首を差し出して仔猫を引き寄せたり
排泄の手伝いをしようと仔猫のお尻を優しく舐めてあげたりしたのですが
その甲斐もなく衰弱して次々と死んでしまったのでした。
 
 
当然私たち家族も落胆しましたが
あの小ささじゃ仕方ないよね、と諦めもつきました。
けれどチェリーの落胆はわたし達以上に大きく、
仔猫がいなくなってからというもの食欲はなくなり、瞳はうつろ、
呼んでも反応が鈍くなり一日中ぼーっと伏せているだけ。
まるで「うつ」のような状態でした。
あまりの落胆ぶりにチェリーを可哀想に思った私たちは
チェリーのために別の仔猫を家族に加える事にしたのでした。
 
 
そういえば、仔猫を診てもらった獣医さんには
「仔猫の里親募集」の張り紙がしてあったことを思い出し
母と2人でその獣医さんを再び訪ねました。
 
 
その時獣医さんで新しい飼い主を待っていたのは2匹のメスの仔猫でした。
1匹は見るからに美しい三毛猫。
毛並みもよく、顔立ちも上品で正統派美人日本猫といった風情でした。
 
 
もう1匹はちょっと何とも言えない模様で、お世辞にも可愛いねとは言えないような、
黒と茶色が不規則にまだらを描いているような、そんな猫でした。
(後で知った事ですが、こういう模様の子をサビ猫と呼ぶんですね。)
三毛猫の品の良い美しさに惹かれた私たちはその子の里親になる事を決めて
さっそく我が家へと連れ帰りました。
 
 
心配だったのはチェリーとの相性だけだったのですが、
実際に引き合わせてみるとチェリーは瞳をキラキラとさせて
仔猫のお世話がしたくてしたくて仕方ない様子でした。
でも三毛ちゃんが、おチビのくせに猛烈な勢いで怒りをあらわに
出来る限りに身体を大きく見せ、チェリーを拒絶したのです。
これはちょっと、どうにも駄目だねぇ、ということで
三毛ちゃんは名前をつける暇もないうちに獣医さんへ戻される事になりました。
三毛ちゃんを病院に連れ帰る時、今度はチェリーも一緒に獣医さんに連れて行って、
もう一方の仔猫とその場で直接お見合いをしてもらうことにしました。
 
 
「今度も駄目かもしれないね〜、本能的に犬の事嫌いみたいだし。。。」と
あまり期待はしてなかったのですが予想は見事に裏切られ、
そのあまり美人とは言えない仔猫はチェリーが鼻先でクンクンと嗅いでも
全く怒らないどころか自分からもチェリーの鼻先をスンスン♪としてくれました。

 
こうして新しい家族になったその猫は「アンナ」と名付けられて
私たち家族の中心的存在になっていったのでした。
(名前の由来は丁度名前を考えていた時にわたしが聴いていた
 Totoの”Holyanna”からもらいました。)
チェリーのうつ状態はすっかり吹き飛びましたし、
最初は「猫なんて好きじゃない!」と言っていた亡き父がすっかりデレデレになり
「アンナぼ〜ん、アンナぼ〜ん♪」と猫なで声で呼ぶ姿は
今思い出しても笑いがこみ上げてきます。
*何故か父はよくアメリカ国歌のメロディに乗せて
「アンナぼ〜ん、ぼ〜ん、ぼ〜ん、ぼ〜〜ん♪♪」と歌っていました。(笑)
*今にして思えば、アンナぼんの名前の後ろに「ぼん」を付けて呼び始めたのは
 その父だったような気がします。
  
 
アンナぼんがいた頃、私たち家族は本当に幸せでした。
(いえ、今が不幸せという意味じゃないですよ。)
現在我が家にいる猫達だってもちろん可愛いし、愛おしいと思っていますが
あの頃の、家族全員がアンナぼんに一心に注いだあの愛情は
また別格なもののような気がするのです。

中編へつづく。

[チェリーママとのラブラブ写真館]






!!!
*食べてないですよ、遊んでるんですよ。。。(;^_^A

 


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unitaro

アンナぼ〜ん、ぼ〜ん、ぼ〜ん、ぼ〜〜ん♪♪がうちのうにに見える~。
アンナぼんかわいい~!
チェリーママの甘がみ攻撃に愛を感じます。
by unitaro (2006-02-03 15:09) 

tabbycat

unitaroさん、こんにちは。
えへへ、可愛いでしょ〜♪
何と言っても超賢くて性格が良かったのですよ〜。
おっと!
tabbycatの親バカゲージがMAXを指し示した様だ!(笑)
 
茶眼子さん、空さん、nice!ありがとうです。
by tabbycat (2006-02-03 16:11) 

くみみん

チェリーさんは立派なお母さんですね。アンナぼんさんかわいいです。
すぐ中篇読みに行きます。
by くみみん (2006-02-03 16:25) 

tabbycat

kumiminさん、こんにちは。
そうなんですよ〜。
以前のわたしの記事でも別の仔猫のおかーさんしてるところを
記事にしたんですが、何だかやたらに仔犬仔猫の好きな犬でした。
by tabbycat (2006-02-03 17:26) 

会社で読んでました。。。
涙いっぱい溜めて。。。
先日、mayumiさんっちのはなちゃんも交通事故に合い、
車の怖さを考えていたところのアップでした。
不慮の事故って言うのでしょうか?
どっちが悪いってことはないと思います。
ご両親のおっしゃるとおり、「運命」だったんだと思います。
でも5ヶ月の間、tabbycatさんたちに愛され、幸せな人生だったと思います。
きっと、今頃、お空で、tabbycatたちを見守っていてくれていると
思いますよっ!ヾ( ̄ー ̄)ゞ
愛らしい、可愛いお顔ですねっ!
私は好きな猫ちゃんのタイプですよっ( ̄▽ ̄)V ブイ
by (2006-02-03 20:05) 

ここの管理人

チェリー母さんの愛情を感じます。
種類を超えた愛って素晴らしいです!!
by ここの管理人 (2006-02-03 22:42) 

tabbycat

空さん、こんにちは。
なかなかコメントしにくい記事なのにどうもありがとうです。
動物は不意に飛び出したりするので
やっぱり事故は後を絶たないみたいですね。。。
うちの場合はあの日に限って外に出たがって、
その瞬間に限って車が走って来て。。。
やっぱりそういう運命だったんだろうな、って
責任転嫁に聞こえるかも知れないけどそう感じてます。
空の上から見守ってくれてるのか、
それともいつもわたし達の側にくっ付いて守ってくれてるのか、
ひょっとすると既に生まれ変わってわたし達と一緒に暮らしてたりして。。。


ここの管理人さん、こんにちは。
チェリーはとにかく愛情いっぱいの犬でしたね〜。
それも「仔」猫・犬限定で。。。(笑)
ここの管理人さんのおうちもはなたんとハイジさんの
仲良しな様子がとってもいいなぁ、って思います。(^_^)
by tabbycat (2006-02-04 10:46) 

tabbycat

てんたさん、りょくさん、ぐったさん
どうもありがとうございます。
by tabbycat (2006-02-04 10:50) 

ゆう

全編みてきましたよ。
とてもつらい経験をされているのですね・・・。ないてしまいそうになりましたが、職場で閲覧中で、ボスもいるのでなんとかこらえましたが、「翌朝」のところでは気持ちがぎゅー・・・・って何かにつかまれたような感覚を覚えました。
アンナぽんは、きっとtabbycatさんに出会うために、チェリーちゃんと出会うために生まれてきたのですね。そして、いまでも、ちゃんとアンナぽんは、tabbycatさんと、一番深いところで結ばれているんですね。そう思いました。
突然いなくなったアンナぽんだけど、でも、私はいつもtabbycatさんのそばにいると思います^^
動物の行動って、予想できないことばかりですよね。
私たちが、危険な目にあわないよう守らないといけないのですが、それを超えてしまうようなことは、やっぱり私たちでも限度がありますものね。あのとき、こうしていれば・・・・って、でも、もし、そうできたとしても、その先は誰にもわからないんですよね。
でも、アンナぽんは、笑って、そばにいると思うのです^^ぜったいに!
by ゆう (2006-02-06 16:21) 

tabbycat

ゆうさん、長文を読んで下さってどうもありがとうです。
突然居なくなってしまったその喪失感というのは
ちょっと口では言い表せませんね。。。
なんだか現実感がなくて、自分がふわふわと漂っているような感じでした。
だけどあんなに辛くて悲しかった事件も
時間が経つとだんだん穏やかな気持ちになって来るのが不思議です。
最初は心の中でアンナぼんに謝ってばかりいたわたしも
今は「うちの子になってくれてありがとう。
短い間だったけど会えて良かったね。」って思えるようになりました。
>アンナぽんは、笑って、そばにいると思うのです^^ぜったいに!
ありがとうございます。
わたしも本当にそんな気がしてならないんですよ。
いつかまたアンナぼんに会えたら
「ちょくちょく遊びに来てたでしょ?」って訊いてみたいんです。
by tabbycat (2006-02-06 19:11) 

黒猫3匹*

「アンナぼ~ん♪」(アメリカ国歌編)を
ココロの中で最後まで歌い遂げてしまいました。
中編、このあと読ませていただきます。
by 黒猫3匹* (2006-02-10 20:47) 

tabbycat

kuroneko3mariさん、こんにちは。(^_^)
なんと!最後までですかー!
うちでは最初の4小節ぐらいまでが関の山でしたよー。(笑)
ちなみにうちの父、
飼っていたモルモットの歌も自作で歌ってました。。。(;^_^A
by tabbycat (2006-02-11 16:10) 

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